【家や土地を内緒で売りたい】近所や親戚に知られずに売却できますか？

「春日井の実家を売りたい」が親戚や近所の目が気になる。できたら内緒で売りたいが可能か？というご相談をいただきましたので、今回は「周りに知られずに不動産を売却できるか」について説明します。

「結婚や出産で家族が増える」「もっと素敵な新居が欲しい」など、前向きな理由が多いマイホーム購入に比べると、不動産を売却するときは「離婚や借金返済」など、家庭内のシリアスな問題に起因してることも多いので、周囲の好奇の目を避けるべく内緒で売却したいというご要望を聞くことも珍しくないです。

実際に、誰にも知られずに売却することは可能なのでしょうか？

内緒で売却はできなくはない。が、デメリットもある。

結論をいうと、周りに知られずに内緒で売却することは可能です。

しかし「内緒で売りたい」のであれば、周りに知られる可能性のある広告等は制限することになるため、買手を探すのに支障が出ることとなります。

より高くより早く売りたいから宣伝広告PRして買手を探す

一般的に、家や土地を売る場合、買い手を探すために、インターネットや新聞折込や情報誌に売物件の広告を出します。売主の事情や売却理由を事細かに伝えるわけではありませんが、広告には外観写真や間取りや地形など掲載するし、空き地や空き家の場合は現地に看板をつけたり、よりたくさんの買い手の目につくような販売活動を行います。

より高く、より早く、家や土地を売るためには、物件情報をいかに多くの人に知ってもらえるかが重要だからです。

広告せずに買手を探せるか？デメリットは？

ではいったいどうやって広告をせずに買手を探すのか？というと、これは不動産屋のネットワークを頼りに買い手を探すことになります。

たくさんの方にPRはできませんが、物件と買い手をマッチングすることは可能です。

優良条件の家･土地は広告せずとも買手を見つけやすい

立地がいいとか地形がいいとか価格が安いだとか、買い手に好まれる物件であればあるほど、宣伝広告をしなくても買い手を見つける可能性は高くなります。私自身も広告せずに口コミ紹介だけで売買取引を成立させることはよくあります。

宣伝広告せずに売ろうとするデメリット

「宣伝広告」や「現地看板」や「現地案内」など、周囲に知られてしまう可能性のある販売活動をせずに売ろうとする場合、デメリットが生じます。

そもそも論としては、より高く買ってくれる買手をより早く探すために宣伝広告をするのです。

高く売りたいけど内緒で売りたい。早く売りたいけど宣伝広告はできない。というのは矛盾してるのですが、売主によっては、現地看板はダメだが店頭紹介はOK。とか、ネット広告やポータルサイト掲載はダメだが、自社ホームページ掲載はOK。とか、完全NGではないならPR方法を使い分けて買手を探すことになります。

しかしながら、宣伝広告なしで買い手を探すというのは簡単なことではありません。

完全に内緒で売りたいなら買取も検討

急ぎで、内密に、売却したい。そんな場合は、業者に不動産を買取ってもらうという選択があります。土地の場合は建売業者や分譲業者が主ですが、戸建やマンションなどは専門の買取業者がいて、転売を目的として購入しています。

土地を仕入れる建売業者は、一般相場に近い価格で購入することも多いですが、戸建マンションの買取価格に関してはざっくり相場の５～７掛け（物件によります）位のイメージでしょうか。

価格は安くなってしまいますが、急ぎで周りにも知られず売却が可能ですので、いち早く面倒なことから解放されたいという場合は、検討の余地はあるでしょう。

宣伝広告なしでもバレる可能性はゼロじゃない

宣伝広告をしなければその土地や家を売っているという情報は公開されません。不特定多数に知られる可能性はかなり低くなるのは間違いない。でも「絶対に」「完全に」情報が洩れないという保証はできません。

内緒で買い手を探すためにも最低限の情報は買ってくれそうな誰かに伝えますし、どこの人のつながりから情報が伝わってしまう可能性はゼロではないからです。

まとめ

「本当に内緒で売らないといけないのか？」

売却の目的によって、売主としての最適な選択肢が変わってきます。

価格優先か、スピード重視か、目先の損得か、将来的な安心か。

周囲に知られずに売却するということは可能ですが、よくよく冷静に考えてみると、内緒で売却することそれ以上に優先するべき売却の目的があるケースも多い。

売却することを周囲に知られるデメリットと、広告を制限して販売するデメリット。売主にとってどちらが正味のデメリットがあるのかという話に行きつきます。

今回、ご相談いただいたお客様は、結局は、内緒で安く売るよりも、広告しても高く売ることを希望されました。

「不動産を売る」というのは、いろいろと検討することも多く、決断するのに勇気のいることですが、後悔のない選択をしていただきたいと思います。

山本　直嗣

春日井シティ不動産（株）代表

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名古屋のお隣、春日井市で不動産業を営む。地元の鳥居松出身で鳥居松小柏原中OB。平成17年に春日井シティ不動産を創業し、不動産売買と賃貸管理を中心に１０００件以上の不動産問題を解決。趣味はラグビー。