【先着受付が原則?】購入申込1番手なら必ず買えるのか
素敵な街並みの住宅街。駅やスーパーや学校にも近く、陽当りがよくて広さも価格も手ごろな人気エリアの売地が出た。
たまたま同じ時期に不動産屋で紹介してもらったこの土地を購入したいAさんとBさんがいたとします。買えるのは一人だけ。どのような手続きで購入をすすめていくのでしょうか?またどちらが購入できるでしょうか?
購入は先着順が基本
一般的に、土地や戸建の売買では、先着順で買い手を募っています。AさんとBさんで言えば、先に購入の意思表示をした方が購入できるチャンスを得ます。そして、その意思表示は、原則、書面で行います。冷やかしではなく本気で買いますと、その購入の意思表示を示す書面が、購入申込書です。業界用語で買付(かいつけ)とも言います。
購入申込書ってなに?
購入申込書の書式は不動産業者が用意しますが、以下のような項目が記載します。
- 物件情報(所在や名称や面積や構造など)
- 購入価格(この価格で買いたいという希望)
- 支払条件(手付金や残金)
- 契約予定期日(いつ契約できるか)
- 引渡予定期日(おおよその引渡しの希望日)
- その他条件(ほかに何か希望する条件があれば)
- 署名捺印(普通は認印でも可)
要するに、この条件でこの物件の購入を希望します!という内容の書面になっています。買い手である私のこの条件を売主がOKしてくれたら、速やかに手付金を支払って売買契約をする用意があります。との意を込めて、買主は購入申込書に署名捺印して売主に提出するのです。
AさんとBさんほぼ同時に申込みした場合はどうなる?
例えば、朝10時にAさんが購入申込をし、その1時間後、11時にBさんが申込みした場合、基本的には、売主はAさんと商談を進めることになります。
Aさんが1番手。Bさんは2番手ということになります。
もしAさんとBさんの購入を希望する条件がまったく同じだったとしたら、1番手のAさんが正式な買い手として売主と契約となるでしょう。
ただし、この申込みの時点ではまだ買付を出しただけで、売買契約の合意には至っていない。Aさんはまだ買主ではなく、買主候補という位置づけ。売主と売買条件が合意して契約を結ぶまでは、この土地を買えるかどうかは確定しません。
2番手にチャンスはないのか?
売主の売却条件(売買価格など)を、Aさんが全部OKして買付証明書をだせば、そのまま売買契約手続きに進むことになります。
でも、Aさんから値交渉があるとか、他の希望条件など、売主と合意できなければ、商談破棄となる可能性もあります。
あるいは、Aさんの住宅ローン審査が否決されれば、これもまた商談破棄。
はたまた、Aさんの気がかわって買うのをやめるということも有りえます。
その場合、2番手のBさんが1番手に繰り上がり、売り手と商談ができることになります。
また1番手が、ローンの審査に手間取って話がなかなか進まないとか、2番手の方が高い金額で買う意思があるとかで、1番手よりも2番手の方が条件が良いと判断すれば、売主が2番手との商談を望む可能性もあります。
とりあえずの抑えくらいで出してはいけない!
実際に、購入申込書出したからといって必ず買わないといけないという法的な拘束力はありません。契約するまではキャンセルしても違約金が発生することも普通はないですが、とりあえずの押さえとして軽い気持ちで出すのはやめましょう。
致し方ないキャンセルもありますが、売主にも迷惑をかけることになります。購入をまだ迷っているうちは購入申込書を出してはいけません。
まとめ
あわてて購入を決めてあとで後悔するのは最悪ですが、決断に時間がかかっている間にほかの方に買われて後悔する可能性もあります。購入申込書を出すかどうかのときには以下の準備ができていると後悔しない決断ができるはずです。
- 物件のことをしっかり把握できてるか?
- 家族の意見は確認できてるか?
- 住宅ローン審査はできてるか?
- 土地の場合、建築会社と相談できてるか?
- 中古建物の場合、リフォームの相談はできてるか??
- 手付金の準備と契約日は決めれるか?
- 引渡しのスケジュールを理解してるか?
- 購入して後悔しないか
このようなプロセスを経て、せっかく購入を決断したものの2番手になったとすれば、それは仕方のないことです。1番手がキャンセルになって買える可能性もゼロではないですが、その物件とはご縁がなかったのです。
そのような物件購入を決断した経験は次の物件探しに活きてきます。私のお客様もほとんどの方が2番手になった物件よりも、最終的にはもっと素敵な物件を買われています。