【確定測量すべし】土地購入にともなう測量の重要性と注意点
土地売買において、売主が土地の測量をしてから買主に引き渡すのが一般的です。
その場合、売主は売買契約を締結してから決済引渡しまでの間に、土地家屋調査士に依頼して確定測量を完了させるという流れになります。測量をすることにより、道路及び隣地との境界が明確になり、土地の面積を正確に測ることができます。隣地境界をまたぐ越境物や隣地との境界トラブルなどがあればそれもわかります。
ただし、売主と買主が合意すれば、測量なしで売買することも可能です。しかしそれは買主にとっては境界不明でいろいろなトラブルの可能性のある土地を買うことになるため、あまりおすすめできません。今回の記事では、買主が知っておくべき測量の重要性と注意点について説明します。
確定測量をしてない土地を購入する買主のリスクは主に3つあります。
1.実測面積が登記面積よりも少ないかもしれない
実際に測量をしてみると、実測面積が登記面積と違うことがあります。面積が多いことも少ないこともあります。春日井の区画整理が行われた土地はほとんど相違ないかあっても誤差で済みますが、古い集落や農地などは面積が大きく違う場合もあります。売買においては、測量して面積が相違したとき、面積の増減に合わせて売買価格の精算をする契約の場合と、面積が増減しても価格は固定で清算をおこなわない契約の場合があります。
2.隣地からの越境物があるかもしれない
境界ブロックや樹木の枝が越境していたりすることがよくあります。こちらが隣地に越境している場合はこちらで対応できるのでいいですが、隣地から越境している場合には相手にお願いして越境解消の対応をしてもらう必要があります。また、目視で確認できる越境の場合はいいですが、数センチの微妙な越境の場合は、測量しないと正確な越境状態を把握することはできません。
3.隣地と境界で揉めるトラブルがあるかもしれない
これが一番のリスクじゃないかと思いますが、確定測量をするためには、その土地を囲むすべての隣地の方と境界を確認をしてもらう必要があります。ひとりでも境界立会いを拒否されてしまうと境界確定ができません。また隣地が空き地空き家になって所有者が不明になるというケースもこれから増えてくる可能性があります。
境界確定ができない土地のリスク
境界確定ができない土地だと、将来的に土地の売却に支障が出る可能性があります。
ほとんどの場合は、隣地の立ち合いもトラブルなく完了しますが、中には立ち合いをお願いした隣地の人がいちゃもんをつけてくるような場合もあります。過去の土地図面や現場の状況から誰がどう見てもこの境界で間違いないという場合でも、俺はこの境界は認めん!ハンコは押さん!と隣地の人に拒否されてしまえば、境界確定ができず、土地家屋調査士はお手上げとなる場合もあります。
どうにも対処ができない場合は、筆界特定制度などの特別な手続きや最悪は訴訟などによって、余計な手間と費用をかけて確定をせざるを得ない場合もあります。(ちなみに私自身の過去の取引でこの法定闘争に至るまで揉めたケースはありません。)
一般的に土地売買契約では、売主が測量を完了して、買主に土地を引き渡しますが、もし何らかの事情で境界確定ができない場合は、売主の債務不履行で契約が解除になる可能性もあります。
確定測量せずに土地売買をするということは、隣地との境界が不明確なまま、土地を購入するということです。
以前に確定測量をしている土地や区画整理された土地で境界杭が全部ある場合は、再度、確定測量をしなくても問題ないケースもありますが、買主としては、測量なしで土地を買うのは、トラブルの可能性を抱えることでもあるので、そのリスクは知っておきましょう。
売主としては、境界確定をすれば費用は掛かりますが、境界トラブルのない土地の証明にもなるため、お互いに後々の無用なトラブルをなくして安心して取引ができることになるので、土地売買には原則としては確定測量が必要ということは知っておいてください。