【解体寸前の空家再生】赤字から年間300万円超の賃料収入を得る優良物件になった実例
今回は、解体予定だった空家をそのまま貸したら高収益の賃貸物件になったというケースを紹介します。
春日井市高山町の空き家を収益化した事例
お客様から空き家を壊して月極駐車場にしたいという相談をうけました。
- 実家の隣に築50年超の古い30坪の店舗と15坪の作業場がある
- かつて家業で使用していたが、ここ10年ほど空家のまま放置している
- 土地の面積は120坪でその上に2棟建っている
- 親から相続したものの使い道がわからない
- 毎年25万の固定資産税の負担が大変
- 売る気はないがなにか収入を得たい
- 建物解体して月極駐車場にしようか検討中
- 収益化のアドバイスが欲しい
月極駐車場にした場合の損益について
まず、建物を解体して月極駐車場にした場合の損益の試算をしました。
賃料収入はいくら?
土地の面積は約120坪で、区画割をすると駐車台数は約20台~22台分。近隣の賃料相場を調べると月額5000円といったところ。駐車場の需要はある立地なので、20台分とすると、月10万円の賃料収入、年間で120万円の収入が見込めることになります。
建物解体と整備費用の負担は?
駐車場にするなら、建物を解体して、砂利を入れたり、整地したり、区画線を引いたり、整備をしないといけません。工事業者さんに見積もりを依頼すると、ざっくりですが、解体費用として約200万、砂利敷きの場整備費用として約80万。月極駐車場にするためには、建物2棟の解体と残置物撤去、砂利敷整地整備、あわせて約280万の初期投資が必要となります。アスファルト敷きの駐車場にするならもっと高くなります。
年間120万円の駐車場収入は悪くない
初期投資280万に対して、年間収入120万。満車であれば2年3か月、稼働率80%でみても3年で初期投資を回収できます。初期投資が大きいですが、空き家のまま毎年25万円の固定資産税を払い続けることを思えば、駐車場にして年間120万の収入を得られるなら悪い話ではありません。
月極駐車場にする以外の収益化の方法はないか?
駐車場の収益性も悪くはないが、それ以上に収益性を高める方法はないのだろうか?
お客様は元々、空家が古すぎるし、修繕するお金もないし、解体更地にして月極駐車場にするしかないと考えておられましたが、じつは私、ご相談を受けたときにすぐ、駐車場より収益がとれる方法を思いついていました。
「お客さん、その空き家、そのまま貸せますよ」
さすがに築50年超の古い建物なので、経年劣化でそれなりに修繕が必要です。
が、しかし、建物はまだ使えなくはない。しかも場所的には、事務所や店舗、倉庫としてのニーズがありそうな立地なんです。前面道路が広くて、建物の手前に広めの駐車スペースがあるのもよかった。
なんなら、店舗と作業場、別々で貸すこともできそうだし、値打ちな家賃設定にすれば、現状のまま(お客様は修繕をする必要もなく)借り手を探すのも不可能ではない、空家再生・高収益化のポテンシャル高い、お宝物件だったのです。
そのまま貸せれば、駐車場の2倍以上の高収益に
お客様のこの空家、そのまま貸した場合の試算をしてみました。
普通、春日井のそれなりの場所で事業物件を借りる場合、30坪の店舗・事務所で賃料20~30万円、15坪の作業場・倉庫で賃料10~15万くらいします。駐車場がない物件も少なくありません。
こちらの物件、大家がリフォームせずに現状のまま貸せるとすれば、店舗事務所は賃料18万円程、作業場は賃料8万円ほど。それなら借り手は見つけられる自信があります。
相場よりも安いとは言え、事務所は年間216万円、作業場は年間96万円、年間合計312万円の賃料収入になります。
さすがに雨漏りや給排水など建物使用に支障がある故障や不具合は修理が必要ですが、解体費用や整備費用のかかる駐車場とくらべれば、はるかに収益性が高くなります。
駐車場と店舗・作業場で貸した場合の比較まとめ
- 駐車場の初期投資280万円かかるが、収入は年間120万見込める
- 建物は古いが、立地的に店舗事務所の需要はある
- 建物を貸すならいろいろ補修が必要ではある
- 事務所店舗で貸せば賃料は年間300万円以上は見込める
- 立地がいいので現状のまま貸せる可能性がある
- 収益性は、駐車場よりも建物を貸した方がいい
事務所は月額18万、作業場は月額10万で借り手を募集
お客様は駐車場にするのをやめ、建物をそのまま貸すことに決めました。
事業物件として借り手を探すこととなり、募集をかけると、なんと3週間で月額18万の事務所は個人塾として、その1か月後に月額10万の作業場は建築会社の事務所として、2棟とも借り手が見つかりました。
結果としてお客様は、建物本体の雨漏修理、残置物撤去、水道分岐工事など結局150万円程の初期投資は必要となりましたが、経年劣化による建物内装リフォーム工事はせず、借主が自由に手直ししてもらう形で賃貸借契約を結びました。
結果、安定して年間300万円超の家賃収入を確保
このお客様のケースでは、これまで年間25万円の固定資産税を払っていただけの空き家が、年間300万を超える収益をあげる賃貸物件に生まれ変わりました。
その後、個人塾の方は訳あって、半年後に解約となってしまったものの、その後、同じ月額18万でカフェとして新たな借り手が決まりました。建築会社の事務所はいまも借りていただいています。
当初からいまに至るまで大きな問題もなく、安定的な収益が続いています。もし、いまの借り手が退去しても、すぐに次の借り手も見つかるでしょう。
月極駐車場にするのも悪い選択ではなかったですが、事務所や倉庫として需要があった物件であったため、そのまま貸すという選択に切り替えることで、オーナーの収益性を格段に高めることができたという事例です。
お客様の意向と物件の状況にふさわしい物件活用をすれば、春日井の不動産需要はまだまだあります。
もしご所有の空き地や空き家の活用方法をご検討されたい方は、お気軽に当社にご相談ください。お役にたてるアドバイスをいたします。