空地空家

もう住まない空家の解体はいつすればいいか?

相続した空家を解体すべきタイミング
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相続した実家の解体についてのご相談です。

築40年以上の古い戸建を親から相続した。自分はすでに別の場所で暮らしているから、その家を使う予定もない。しばらくは空き家のままにしておくしかないけど、近くにいるわけじゃないから、古い建物の維持管理が行き届かずになにかあったらどうしようと不安を感じる。家も老朽化で劣化もひどいし、人に貸すつもりもないし、自分が住むこともできない。いっそのこと、空き家を解体して更地にしてしまったら、面倒な建物の維持管理の心配もなく、気持ちも楽だと思うが、いますぐ実家を解体するメリットとデメリットについて不動産屋の意見を聞きたい。とのこと。

昨今、放置空き家に対して近隣からの苦情を見聞きします。

実際には空き家の中でトラブルになるのはごく一部なのですが所有者の方もご近所とトラブルにならないように気をもまれている方も多い。

今回のお客様は相続した実家が空き家になってしまったが、そのまま空き家のままにしておいても問題がないのか?更地にしてスッキリしておいた方がいいのか?アドバイスが欲しいとのことでした。

まずは解体する場合と空き家のまま維持する場合のメリットとデメリットについて説明します。

空家を解体して更地するか?解体せず維持するか?

解体して更地にするメリット

  • 建物の維持管理の手間が不要になる
  • 建物の固定資産税がなくなる

解体して更地にするデメリット

  • 解体費用などの支出が必要になる
  • 土地の固定資産税が高くなる(住宅用地の軽減適用外になる)
更地にすると土地の固定資産税が高くなる

一般的に土地に住宅などの建物が建っていることで土地の固定資産評価は軽減措置を受けて安くなっています。例えば小規模住宅用地の特例という制度は、固定資産評価が6分の1に軽減されてたりします。ところが空き家を解体して更地になると、その6分の1の軽減適用外となるので、土地の固定資産税が跳ね上がることになります。解体で滅失される建物の固定資産税はなくなりますが、その分以上に土地の固定資産税が上がってしまいます。

解体費用の目安について

解体費用は大きな出費となります。解体費用の目安としては木造建物で坪単価3万~4万くらい。かりに30坪の建物を壊すだけでざっと100万くらい。さらに建物解体費以外に門扉や植栽やコンクリートブロック塀や車庫など外構部分の解体費用と建物内や敷地内の残置廃棄物の処分費用が必要となります。廃棄物の処分費用はゴミの量によりますが一般家庭でも少なくても数十万はかかることが多いです。実家を空き家のまま維持したらどうなる?

更地にせず空家のまま維持するメリット

  • 解体費用などの支出が必要がない
  • 建物を利用できる可能性が残る
  • 土地の固定資産税が安いまま(軽減適用継続)

更地にせず空家のまま維持するデメリット

  • 建物の維持管理の手間がかかる
  • 建物の固定資産税がかかる

急いで解体しないといけないケースはあまりない

解体して更地にするか?空き家のまま維持するか?

一般的には、売るときか貸すとき、つまり土地の利用目的が決まったときに解体するケースが一番多いので、それまでは空き家のまま現状維持で管理をするのが無難。管理といってもおおげさなことをする必要もない。適度な草木の伐採やゴミ放置対策とか常識的に近隣住民の方に迷惑をかけなければいい。忙しくてご自身で管理ができないなら当社のような会社に管理を委託してください。

もちろん売ったり貸したりしない場合でも、先に解体して更地にするのもOKです。空き家と同様、土地も近隣の迷惑にならない程度に管理すればいいです。

それぞれメリットとデメリットがありますが、老朽化が酷くいつ倒れてもおかしくない状態でなければ、現状のまま維持できるならそれがいいのではないでしょうか?

ちなみに、ご相談いただいたお客様は、解体はせず空き家のまま維持することになりました。

ABOUT ME
山本 直嗣
山本 直嗣
春日井シティ不動産(株)代表
名古屋のお隣、春日井市で不動産業を営む。地元の鳥居松出身で鳥居松小柏原中OB。平成17年に春日井シティ不動産を創業し、不動産売買と賃貸管理を中心に1000件以上の不動産問題を解決。趣味はラグビー。
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