【少子高齢化と春日井の土地】売れない不動産を相続する子や孫のリスク
数年前のものですが、厚生労働省の国の人口動態データというのがあります。
平成28年は、出生者数が約97万人に対して、死亡者数は約130万人、人口が33万人少なくなりました。
平成29年は、さらに出生者数は約94万人で約3万人少なくなり、死亡者数は約134万人で約4万人増えて、人口は約40万人少なくなりました。
人口減で需要が少なくなれば不動産の価値は下がる
この少子高齢化の流れは今後も続くので出生者は減り、死亡者は増えていく。良い悪いではなくそういう時代です。
春日井市も人口は減っていく
とうぜん春日井市でも同様の流れで、平成29年の約31万人が人口のピークです。約30年後の人口見込みとしては約12%ほど減少して約26.8万人となる予測もあります。
日本全体でみれば春日井市の人口以上の人数が毎年減っていっています。
土地へ減らないが、人は減っていく時代。
需要と供給のバランスが大きく変わりつつある時代の不動産との賢いつきあい方を学ぶ必要がありそうです。
土地の需要が減って供給が過剰になる
人口が減る。少子高齢化になったとはいえ、不動産の価値がすぐにはなくなるわけではありません。
でもその価値は固定的に保証されたものではなく、相対的なので価値が上がったり下がったりします。
その土地を欲しいと思う人が多いのか少ないのか。それによって、土地の価値が変わるわけです。
タダでもいらない土地が増えている
人里離れた不便な場所だったり、住むのに劣悪な環境の土地ならば、極端に言えば、タダでもいらない土地になる可能性もありますし、現実的に売りたくても売れない土地というのは田舎になればなるほど増えているのです。
その一方で、都心の一等地などは人気が集中してる土地というのも存在します。
住みやすい、生活に便利、街並みがいい、活気があるとか、価値が上がってる土地もたくさんあるのです。
二極化はますます進みます。
土地に対する世代間の意識の違い
ちょうど私の親世代以上の方々が先祖代々の土地はどんなことがあっても守るべきという意識が強い傾向があります。
それは戦後からの経済が成長していた時代、土地の価値が上がり続けるという前提の価値観の影響が大きいように思います。
しかし私より下の世代の方々は、一等地であればまだしも売れるかどうかもわからん税金やら管理やら面倒なものは必要ないと、土地はいらんという方も増えています。
たまたま持ってる場所が良いか悪いかに左右されてるわけですが、ただ持っているだけでは、たまたまの運で「二極化」の波にのまれていくだけでしょう。
売れない土地を相続したら子供は困る
最近は相続などをきっかけに、どうしたら一番いい形で不動産の活用できるかを真剣に考える方が増えてきています。
私自身も25歳のときに父が亡くなり相続を経験しています。
当時は知識も経験もなく母と税理士さんに言われるがまま相続をすませましたが、いま思えば税金面でも収益面でももっと効果的な不動産活用ができたと後悔してます。
「家を守る、土地を守る」
先祖代々の土地は守るべき。これも大切な価値観だと思います。でも、時代は変わっています。
自分の生き方に釣り合わない不動産を手放そうとする人が増えています。家や土地にあわせた生き方ではなく、自分たちの生き方にあわせて不動産を活用するのがこれからの主流です。
不動産相続で困らないよう今すぐ考えよう
税金や維持管理の負担が大きい土地。安定した収益をもたらす土地。売りたい土地。売りたくない土地。いつでも売れる土地。いまなら売れる土地。相続でもめそうな土地。
所有してもいい、売ってもいい、貸してもいい。
正解はひとつじゃなく選択肢はいろいろあります。
資産になる不動産を残していくためには、時代の変化に学ばないといけません。僻地や山林や農地など売るのが難しい土地を親から相続して困っている人も増えています。
相続が起こってからでは遅いです。子世代孫世代に負担となる不動産を残さないために早めに対策を考えましょう。