不動産売買

【土地売買】古家を解体をするのは売主か?買主か?

古家解体するのは売主か買主か?
kasugai-home

よく古家が建っている状態で売られている土地があります。もし家を新築するためにそういう土地を買おうとする場合、その古家の解体はだれがするのでしょうか?

売主?それとも買主?

今回の記事では、土地売買における古家解体は誰がするのかについて説明します。

「更地渡し」なら売主が、「現状渡し」なら買主が解体する

古家付きの土地売買。買主がその古家をリフォームして住むならいいですが、マイホームを新築するなら古家は壊して更地にしないといけません。

売主と買主、どちらが壊すにしても多額の費用が必要ですし、解体におけるリスクがありますが、基本的には、土地売却の条件が「更地渡し」なら売主が、「現状渡し」なら買主が解体することになります。

「更地(さらち)渡し」なら売主が解体

「更地渡し」の場合、売主が古家を解体、更地にして買主に引き渡してくれます。売買契約の時点ではまだ古家が建っている状態です。

解体工事そのものは売主が依頼した解体業者がおこないますので、解体費用も当然売主が支払うことになります。古家だけじゃなく地中基礎や配管、門扉やブロックフェンス等の外構など土地上にある構築物すべてを解体撤去。土地の引渡日までに解体、建物滅失登記まで完了させます。

「現状(げんじょう)渡し」なら買主が解体

「現状渡し」の場合、買主は古家付きの現状のまま土地を買うことになります。買主は、古家付きの土地の引渡しを受けてから、自費で解体しなければなりません。

買主にとっては土地購入代金以外にも解体費用の負担がのしかかります。また、あらかじめ解体費用がいくらかかるか業者選定も含めて調べておきますが、いざ解体が始まってから想定外の追加費用がでたり、近隣住民からの苦情などトラブルに巻き込まれるリスクが懸念されます。

なお、建物内の家具家電・生活用品・ゴミなど残置物は売主がすべて処分、建物は空っぽの状態で引き渡し、建物の所有権はいったんは買主に移転させるのが原則です。

「更地渡し」か「現状渡し」、どうやって決める?

よくある30~40坪くらいの木造住宅の規模で、ざっと100万~200万円くらいの解体費用がかかります。金銭的な負担を考えると、買主の立場なら「更地渡し」、売主の立場なら「現状渡し」がいいように思えますが、「更地渡し」か「現状渡し」って誰が決めるのでしょうか?

「更地渡し」が一般的

「更地渡し」か「現状渡し」かは売主が決めます。ただし、現実としては「現状渡し」だと買主も敬遠して売りにくいので、じつは「更地渡し」が一般的です。

売主としては「現状渡し」で売れれば、解体費用が浮いてラッキーとなる可能性はあります。でも土地相場は、あくまで更地評価が基本。解体費は土地価格から減価対象となりえるので、結果としては更地渡しと金銭的な損得は大して変わらないでしょう。むしろ買主が自分で解体するリスクや割高感を感じて、売りづらい土地になるだけの場合もあります。

駅近や人気のエリアなら古家付きでも買主が見つかる土地もありますが、一般的には、売主が「現状渡し」にこだわるメリットはそれほどありません。売主としても、「更地渡し」で売却するのがベターです。

売主は売買契約してから解体すればいい

更地渡しの場合、売主としては売買契約をしてから引渡しまでの間に更地にすればいいです。古家の現状や印象が悪すぎて土地が売れない場合は、先行解体も検討すればいいですが、ほとんどの場合は、買手が決まってからの解体の段取りでも売却可能です。土地の引渡しにあわせて解体すれば、業者への支払いは、引渡日に買主から受け取る売買残代金から精算できるので、手持ち資金から解体費の工面しなくてもすむメリットもあります。

先行して解体、更地にしてから土地を売り出すと、土地の見た目もよくなり、買い手の印象もよくなって売りやすくなりますが、せっかく更地にしたのに売れずに1月1日で年をまたいでしまうと翌年度の土地の固定資産税が高くなってしまうというリスクもあるので注意してください。

「更地渡し」が安心でおすすめ

更地渡しか現状渡しは、売主と買主が合意すればどちらでもいいのですが、古家付きの土地売買では、基本的には「更地渡し」で売主が解体することが多いと思います。

買主の立場としても、「更地渡し」で土地を購入しておくのが絶対的におすすめです。もし「現状渡し」の売地だったとしても、「更地渡し」なら買うとか、「解体費用分の値下げ」など、売主への交渉をがんばってみてください。最悪、売れ筋の土地で「現状渡し」でも欲しい、という場合は、事前に解体業者と古家の調査をしてアスベストなど解体費が高くなる可能性についてできる限り調べておきましょう。くどいようですが、可能であれば「更地渡し」で買うのが安心です。

「現状渡し」は解体におけるリスク等を受け入れて価格交渉ができるプロの買い手以外はおすすめしません。売主の立場でも「現状渡し」にこだわっても「更地渡し」より高く売れるわけではありません。目先の損得も大事ですが、売主と買主がお互いに気持ちよい選択した方が結果としても上手くいくのではないかと思います。

ABOUT ME
山本 直嗣
山本 直嗣
春日井シティ不動産(株)代表
名古屋のお隣、春日井市で不動産業を営む。地元の鳥居松出身で鳥居松小柏原中OB。平成17年に春日井シティ不動産を創業し、不動産売買と賃貸管理を中心に1000件以上の不動産問題を解決。趣味はラグビー。
記事URLをコピーしました