【春日井の土地動向】「高くても売れる土地」と「タダでもいらない土地」

春日井の土地動向
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かつての鬼上司の言葉「売れない土地はない!」

その昔、もう20年以上も前ですが、イケイケ営業ブラック丸出しの不動産会社で勤めていた頃、上司がよく豪語していました。

「俺に売れない土地はない!!!」

山林でも、荒野でも、原野でも、人っこひとりいないような土地でも、必ず売る。売れない土地はない。と。

営業成績がなかなか上がらない私が売れない理由をあれこれいうと、

土地の場所が悪いとか、陽当りが悪いとか、地形が悪いとか、環境が悪いとか、そんなの関係ない。

「売れないのは、お前の営業力がないだけだ!!!」

誰でも欲しがる土地を売るだけなら営業なんていらない。

会社から売れと言われれば、目の前に落ちてる石ころでも売るのがプロの営業だと。

需要がない土地でもかつての鬼上司なら売れるのか?

インターネットも普及してない時代でしたが、確かに一理ある。

どの世界でも、同じ商品を売ってもセールスマンによって売れ行きが違うわけだから、商品以外にセールスの力は大事なことは間違いないところでしょう。

しかし、時代は変わりました。

インターネットが普及して、一般の人もプロ並みの情報が簡単に手に入るようになりました。

少子高齢化で人口も減っていきます。都会に人が集中して、田舎は人が減っていくばかり。

土地の価格は需要と供給のバランスで決まりますから、買いたい人がたくさんいればいるほど土地は高くなりますし、売りたいがたくさんいればいるほど土地は安くなります。

春日井でも、例えば、勝川周辺は買いたい人が多いので高くなりますし、郊外の不便な場所などで、買いたい人がいない土地は安くても売れない状況が出てきています。

相続相談でもよく話に出ますが、親世代と子ども世代の土地の所有に対する価値観が違ってきていて、せっかく代々守ってきた土地を相続することを喜ばない子ども世代は確実に増えています。

本当に欲しいものは高くても手に入れたいけど、タダでもいらないものはいらない。

そういう人が増えています。

だから、かつての上司も、当時の勢いのままに、「俺に売れない土地はない!!!」と豪語はできないだろうと思うのです。

「さすがの俺でも、この土地はさすがに売れない。お手上げ。」というような、需要のない土地、タダでもいらないといわれてしまう土地は実際あるのです。

売れない土地は増えている

昔のいわゆる土地神話の時代は、どんな土地でも資産価値があると信じられていたので、投資目的で買う人も多かったわけです。

春日井でも、住宅を建てるために土地を買いたい人はまだたくさんいますが、将来の値上がりを目的に投資で土地を買う人はまずいないでしょう。

幸い、春日井は名古屋のベッドタウンということで、住宅建築のニーズはたくさんあるので、価格の高い安いはありますが、住宅地でどうにも売れないという土地はいまのところはまだ少ない。でも、山とか田んぼとか郊外の不便な場所だったり、住宅地でも環境や地形が悪すぎると、価格が安かったとしてもそもそも需要がない、買い手がみつからず塩漬けになっている土地もあったりします。

まとめ

とはいいいながらも、いい土地はこれからも売れますよ

春日井の土地の需要の多くは、住宅建築を目的としてますが、事業用地なども目抜き通りのいい土地は取り合いです。

ただし、いい土地の解釈が人によりけりなので、むずかしいところではありますが、ひとつおさえておいてほしいのは、これから間違いなく土地を手放したい人が増えるということ。

買い手にとっては、土地の選択肢が増えることになるでしょう。

売り手にとっては、自分の土地と似たような条件の売地が増えれば売りにくくなります。

似たような条件の売地が多くなればなるほど、価格相場は下がっていく傾向になりますね。

土地の人気度を

①ごく一部の人気エリアの土地。

②その他大勢の普通の土地。

③現実的に使い道がない土地。

この3パターンにわけるとします。

その比率が、いまだと、

①20%

②60%

③20%

くらいのイメージ。

でもこれから、その比率は

①20%

②40%

③40%

みたいな感じに変わっていくのではないでしょうか。

イメージですよ。

一部の人気の土地は変わらない。

でも、今までなら普通に需要があった土地の中から売れない土地に落ちていくパターンが増えるでしょう。

5年後も10年後も20年後も、「いい土地」ならば、いつだってみんな欲しいというのは変わらない。

でも、「いい土地」はかなり限定されると思います。

何度もいいますが、土地の価値、値段は、その場所で買いたい人が多いか、売りたい人が多いか、そのバランスで決まります。

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