令和2年は、ほぼコロナ一色で過去に経験のない大変な1年でした。不動産業そのものはコロナ直撃の業界ではないですが、令和2年の土地取引の件数や成約価格を見てみると、春日井市の不動産市況にもそれなりには影響があったことがみてとれます。
【令和3年】春日井の土地はどうなるか?
現時点では春日井市の土地が大きく値を下げる状況ではないですが、それでもこれから長期的な視点で見れば見るほど、売れる土地と売れない土地、売りやすい土地と売りにくい土地の差が広がっていくことは間違いなさそうです。今回は令和3年の春日井の地価の動向がテーマです。
コロナ前(令和1年12月頃まで)の春日井の土地市況はどうだったか?
春日井の地域や土地そのもの条件によって違いはあるのですが、平成25年あたりからじわじわと春日井の土地の価格は上がっていました。それ以前の感覚だと、春日井市の中心から西部あたりの住宅地で、住環境がよくて陽当りや地形が良い土地で、坪40万~45万くらいで取引されるイメージでした。
アベノミクス効果があったかどうかはわかりませんが、ここ数年は、春日井の一番人気エリアとなる勝川駅近郊であれば住宅地でも坪60万前後、それなりに場所の良い一般的な住宅地でも坪50万くらいで取引される事例が目立ってきていました。もちろんすべての土地が上がったわけではなく、条件がわるければ売りにくい土地であることには変わりありません。
ところが、令和元年10月の消費税が10%になる頃には地価の上昇は頭打ちにはなっていて、特に名古屋の都心の一等地などでバブル並に上がったような場所はあきらかに下がってきていました。春日井での地価上昇は都会に比べれば知れていますし、住宅としての実需がメインの地域柄なので、基本的には横ばいで推移している感じでしたが、高値の土地の売れ行きは鈍くはなっていたと思います。
【平成25年から令和元年まで】春日井の土地成約件数と坪単価をみてみよう
不動産業者間の物件情報の共通データベース「レインズ」で平成25年から令和1年の春日井の土地の成約動向を調べてみました。
春日井の土地売買 | 坪30万未満の土地売買 | 坪30万~40万未満の土地売買 | 坪40万~50万未満の土地売買 | 坪50万~60万未満の土地売買 | 坪60万以上の土地売買 | 合計(売買件数) |
平成25年 | 95件 | 97件 | 21件 | 0件 | 1件 | 214件 |
平成26年 ※1 | 105件 | 60件 | 24件 | 7件 | 1件 | 197件
(-8%) |
平成27年 | 113件 | 82件 | 20件 | 6件 | 1件 | 222件
(+12.6%) |
平成28年 ※2 | 100件
(-11.5%) | 66件
(-19.6%) | 35件
(+75%) | 14件
(+133%) | 1件
(0%) | 216件
(-2.7%) |
平成29年 | 84件 | 70件 | 35件 | 9件 | 6件 | 204件
(ー5.6%) |
平成30年 ※3 | 91件
(+8.3%) | 72件
(+2.8%) | 46件
(+31.4%) | 12件
(+33.3%) | 1件
(-83.3%) | 222件
(+8.8%) |
平成31年(令和1年) | 94件 | 68件 | 52件 | 8件 | 4件 | 226件
(+1.8%) |
※1.平成26年は前年と比べて全体の成約件数は減ったものの、坪50万円台の土地売買が7件でてきました。このあたりが地価上昇のわかりやすいタイミングでしょうか。
※2.平成28年は前年と比べて、坪40万円台の土地売買が15件(75%)、坪50万円台の土地売買が8件(133%)も増えました。このあたりで地価上昇がさらに浸透した感じでしょうか。
※3.平成30年は前年と比べて、さらに坪40万円台の土地売買が11件(31%)、坪50万円台の土地売買が3件(33%)増えています。
令和2年の不動産市況にコロナの影響はあったか?
令和2年は不動産売買の市況にも大なり小なり新型コロナの影響はあったのではないかと思います。景気の先行きが見えない不安な状況で土地を買おうという気持ちにストップがかかるのは不思議ではありません。とは言え、春日井の土地市況はマイホームの需要、つまり実需が支えています。たとえ大不況が来ようとも不景気であっても春日井の条件の良い住宅地を買う人はなくなりません。ただし、需要と供給のバランスの問題なので、土地を買う人よりも売りに出る土地が多くなる状況においては、条件の良くない土地から買い手の候補からはじかれてしまいます。春日井市内においても売れる土地と売れない土地の二極化はますます進んでいきます。
【令和元年と令和2年を比較】コロナの影響!?で土地成約件数は大幅に減った
春日井の土地売買 | 坪30万未満の土地売買 | 坪30万~40万未満の土地売買 | 坪40万~50万未満の土地売買 | 坪50万~60万未満の土地売買 | 坪60万以上の土地売買 | 合計(売買件数) |
平成31年(令和1年) | 94件 | 68件 | 52件 | 8件 | 4件 | 226件
(+1.8%) |
令和2年(コロナ)※4 | 88件
(ー6.4%) | 47件
(ー31%) | 42件
(ー19.3%) | 10件
(+25%) | 6件
(+50%) | 193件
(-14.7%) |
※4.令和2年はやはりコロナの影響か、全体の土地売買件数が33件(マイナス14.7%)大幅に減っていました。とは言え、坪50万円以上の土地売買件数は増えており、優良物件は変わらず売れていたようです。
まとめ
さて、令和3年の春日井の土地動向はどうなっていくのでしょうか。春日井市内のすべての土地を好条件2割、中間6割、悪条件2割で割り振るとします。好条件の2割の土地はいつでも強気で売れます。条件の良くない2割はますます下がります。下手したら売れない。中間の6割は、現時点では弱気の横ばいです。本当に場所や大きさや地形などの個別の条件によって大きく変わってきます。
コロナが景気に及ぼす影響がどこまであるかわかりませんが、結局のところ、需要と供給のバランスにつきます。コロナがなかったとしても、少子高齢化がすすむ状況において、人気の土地とそうでない土地の差は広がる一方だと思います。バブルが来ない限り(来ないです)春日井の土地の将来的な値上がりは現実的じゃないと思いますし、周りに売りに出る土地が多くなってきたら値は下がります。
しかしまだ春日井の住宅ニーズは根強いのは間違いない。これは堅実な需要ですし春日井の住みやすい地域性への信頼感はあります。令和3年もそれなりには土地売買がなされます。条件の良い土地はまだ高く売れますが、多少価格が下がってしまう土地も多くなる可能性はあります。もし春日井の土地を売却することになりましたら、ぜひ当社におまかせください。少しでも高く売れるよう尽力いたします。
